前回の記事では、転職サイトと転職エージェントの違いと、社内SE転職における視点で解説しました。
私は今の会社で面接する側に立つこともあります。
今回は企業の採用担当者の視点から、転職サイトと転職エージェントについて解説していきます。
企業の採用活動手段
企業が人を採用したいと思った時に、応募をかける方法は以下のような方法があります。
【コスト:安い】
↑
・ハローワーク、知人の紹介
・SNS
・紙媒体(新聞、転職情報誌)
・Web媒体(転職サイト)
・人材紹介(エージェント)
↓
【コスト:高い】
なお、社内SE転職においては、ハローワーク、SNS、紙媒体を使う必要はありません。
・ハローワークは、掲載費用は無料ですが、応募者を必ず面接しないといけないルールがあるため優良企業の求人は存在しません。応募者が殺到して企業側の対応が膨大になり本末転倒となるためです。(※地方は例外あり)
・SNS採用は、ベンチャーやスタートアップのWeb関連企業などで優秀なエンジニアを採用するために利用されています。ここで求められているのは自社サービス開発エンジニアです。ゆるふわホワイト社内SEの求人は存在しません。
・紙媒体は、インターネットを積極利用しない層へアプローチするための媒体です。掲載されている求人の大部分はアルバイトや派遣であり、社内SEの求人は存在しません。
そのため、この記事では以下の違いについて見ていきます。
・Web媒体(転職サイト)
・人材紹介(エージェント)
企業の視点から見る転職サイトとエージェントの違い
費用の違い
転職サイトと転職エージェントでは、企業から支払うコストが異なります。
転職サイトは掲載課金型です。
求人情報を掲載する場合は、掲載期間に応じて費用がかかるのが一般的です。掲載にかかる費用は転職サイトによってバラつきがあります。1ヶ月20万円程度で掲載できるサイトもあれば、100万を超える金額がかかるサイトもあります。
一方、転職エージェントは成功報酬型です。
無料で求人情報を掲載することができます。その代り、採用が決まったら採用した人の年収の何割かを成功報酬としてエージェントに支払います。成功報酬の割合はエージェントによっても異なりますが、おおよそ3割~4割である場合が多いようです。
人材の質
企業側から見た時、転職エージェントの方がより質の高い人材を紹介してもらえるとされています。
転職サイトは誰でも応募ができるため、企業が求めているスキルや経験がなくても応募できてしまいますが、転職エージェントの場合は基本的に求人情報は非公開となっており、企業が求める人材にマッチする求職者にだけ求人を紹介してもらうことができるのです。
企業は、転職サイトとエージェントをどうやって使い分けているのか?
年間人員計画に沿って募集する
そこそこの規模の企業であれば、「毎年4月に10名程度を採用する」といったような年間人員計画が存在します。
このような採用活動を行う企業では転職サイトを使っています。転職サイトで広く募集をかけて応募数を増やしておき、評価が良い順に採用していく方法です。
募集人数が多くなる場合は、転職サイトとの相性が良いと言えます。
とにかく急いで人を確保したい
現場担当者が急に退職することになった等の理由で、急いで後任者を採用したい!というケースがあります。このような理由で募集をかける企業は「中小企業」であり、「採用人数は1~2名」であることが多いです。
仮に転職サイトの掲載したとすると、掲載時間が短すぎると良い人材が集まらない可能性もありますし、反対に掲載期間が長いともっと良い人材が来るかもしれないと考えなかなか採用を決めることができないため、転職サイトは向いていません。
このようなとにかく急ぎで人を確保したい場合には、転職エージェントの方が相性が良いでしょう。
良い人がいれば採用したい
実際の業務現場としては、「急いではいないけれど、良い人がいれば採用したいなー」と考えているケースは多いです。
このように「良い人がいれば」という場合には、掲載にはコストがかからず、採用が決まった場合のみにコストが発生する転職エージェントが最適であると言えるでしょう。
ここまで企業側の視点から転職サイトとエージェントを見てきました。
次の章では、企業が社内SEを採用したい場合に、どのような手段で募集をかけるのかを解説していきます。
企業が社内SEを募集する場合の手段
「ひとり情シス」などという言葉もあるように、企業における情報システム部門は少人数で運用していることが多いです。なぜなら利益を生み出さないためです。
少人数であるがゆえに、なんでもかんでも対応しなければならず、思っているよりも忙しい部署だったりします。(もちろんSIerやベンダーと比べると余裕がありますし、そもそもノルマや責任も少ないので気楽ではあります)
そんな忙しい中で採用活動を行うとしたら、どのようなメディアを利用するでしょうか?
答えは、転職エージェントです。
社内SEの採用において転職エージェントを利用する理由
転職サイトに求人情報を掲載すると、多くの求職者から応募が集まります。すると採用担当者には膨大な労力がかかることになります。何人もの応募者と面接するだけでも骨が折れますが、スキルや経験が不足する応募者の足切りや面接日程の調整まで採用担当者が対応しなければなりません。また、掲載するだけでコストがかかっているため、「この中で誰が一番マシか?」というような妥協して採用を決めてしまうこともあり、後から後悔することになりがちなのです。
一方で、転職エージェントを利用すれば、ITスキルも最低限の水準をクリアしている人だけを紹介してもらえるため、無駄な面接を無くすことができます。また、良い人がいなければ採用を見送ることもできますので無駄なく採用活動を行うことができます。
このような理由で、企業が社内SEを募集する際は転職エージェントを利用するのです。
企業が社内SEを募集する際に利用する転職エージェント
転職サイトの掲載にかかる費用は、サイトによってピンキリです。(1ヶ月20万~130万程度)
一方で転職エージェントの場合は掲載費用は無料であり、採用が決まったら成果報酬という形で年収の30~40%をエージェントに支払います。
これが何を意味しているかというと、
企業からすると、どこのエージェンを使ってもかかる費用は同じということです!!
費用面で大差がないため、エージェントを選ぶ基準としては応募者の「質」を重要視することになります。その場合の選定ポイントは以下2つになります。
- 業界大手の転職エージェント
- エンジニア専門の転職エージェント
これら観点で転職エージェントを評価した時、オススメ順は以下の通りです。
企業の立場から見ると、これらの転職エージェントを使うことが圧倒的に多いです。
よって社内SEになりたい求職者は、これらの転職エージェントに登録しておけばより多くの社内SEの求人情報に出会うことができるはずです。
スキルがない・未経験の人が社内SEになるために使うべき転職サービス
ここまでで、企業はより質の高い応募者を採用するために、大手・専門の転職エージェントを使っているという話をしてきました。
では、質が高いとは言い難い人(スキルが無い人や未経験の人)は社内SEなれないのでしょうか?
いいえ、決してそんなことはありません。
スキルが無くとも社内SEにはなれます!未経験でも社内SEにはなれます!
但し、「スキルが無い」場合や「未経験」の場合には、少しアプローチを変えて転職活動を行う必要があります。
意外と知られていない方法ですが、実は転職エージェントよりも転職サイトのほうが有効なケースが存在するのです。
その方法についてはコチラの記事で紹介しています。
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